ヌーシャテルを中心とする湖岸地区紹介
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ヌーシャテルを中心とする湖岸地区は 1.ヌーシャテル湖の北岸地域 2.ビール湖の北岸及び西岸地域 3.モラ(ムルテン)湖の北岸ヴリイ地域(ヴォー州北部地区が一部入る) 付随:ヴォー州北部地域 ヌーシャテル湖西部のボンヴィラー、コート・ドゥ・オルヴ からなっています。なお、ヌーシャテル湖の南岸にブロイ地区がありますが、ささやかな生産量となっています。ヌーシャテル、ビール、ヴリイの地域にはAOCの規定があって、それぞれの地域を名乗る事が出来ます。また、個々の地区名をラベルに表示することが出来ます。 ドイツ語でこの地区をドライ・ゼーンといいます。訳すと三つの湖、よって三湖地区という言われ方もするのですが、スイスの地理を知らない人には分かり難い表現だと思います。この地区のブドウ畑の総面積はおよそ1000ヘクタールです。これはヴァリス州のブドウ畑の面積のおよそ5分の1です。 白ワインのほとんどはシャスラ種から、また赤ワインのほとんどはピノ・ノワー種から作られています。他に白だとピノ・グリ、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなどが栽培されており、赤だとガメイ系の交配品種、ガマレット、ガラノワなどが栽培されています。 この他にピノ・ノワーから作られるロゼワイン、ウイユ・ド・ペルドリ(Oeil de Perdrix)が有名で、これは現在スイス中で作られていますが、もともとヌーシャテルが元祖です。ウイユ・ド・ペルドリは山鶉の目という意味ですが、この目の色がピンク色をしているところから来ています。ピノ・ノワーはブルゴーニュからスイスに伝わった品種ですが、昔ブルゴーニュ地域でも、ワインの色をこの様に表現していました。当時のワインは今の様な深いルビーではなく、ロゼ色だったのです。ウイユ・ド・ペルドリはいわば伝統的ワインの再現といった所です。 この他に伝統的な製法による発泡酒も作られており、スイス人に喜ばれています。発泡酒といえば、ヌーシャテル湖北岸にヴォー州の地域が入り込んでおり、そのボンヴィラー地区にシャンパーニュと名の付く村があります。赤と白ワインを出しているのですが、シャンパーニュと銘打って販売していたところ、フランスのシャンパーニュからクレームがついて、裁判沙汰になったそうです。結局スイスのシャンパーニュはその名をラベルに使えなくなってしまいました。 ヴリイ地区のあるフリブール州はグリュイエールチーズで有名ですが、スイスの名物料理、チーズ・フォンデューは、同じくフリブールのフリブールジョワというチーズと半分半分で作ったものが最高と言われています。これはフランス語の半分半分を意味するモティエ・モティエと呼ばれています。チーズ・フォンデューを買うときは、このMotie-Motieの表示のあるものがお勧めです。もちろん、このチーズ・フォンデューには同じくフリブール・ヴリイの白が最高です。心は一気にアルプスへと飛ぶでしょう。 それぞれの地区には以下の個別地区があります。 ヌーシャテル地区(ヌーシャテル州) Le Landeron ラ・ランデロン ビール湖地区(ベルン州、ベルン州は他にトゥーン湖地区がある) Vingelz フィンゲルツ ヴリイ地域(フリブール州、この州は他にブロイ地区がある) Nant ナント |