ティチーノ州の紹介


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ティチーノ州のワイン地域は大きく分けて

1.ソプラチネリ(上チネリ)地域
2.ソットチネリ(下チネリ)地域

があります。これはワインのみならず、南北に長いティチーノ州を一般的に区域別する名称です。スイス・アルプスの南ティチーノの州都ベリンツォーナから南に下ると再び山を迎え、峠道となります。ここを上り詰めた所がモンテ・チネリ、訳すとチネリ山という地区(山らしきものはなく、国道の峠だけがある)に至ります。峠になっていて、ここを下るとティチーノ経済の中心地ルガーノに入ります。この平たくいうと峠の北がソプラチネリで、南がソットチネリとなります。

これに大別されるのですが、気候的に言うと、さらに6つに分けられています。ソプラチネリは、ビアスカから北のアルペン地域、ビアスカからベリンツォーナの間と、マッジオ谷などの渓谷地域、ベリンツォーナ周辺からチネリまでのティチーノ川南岸地域、ロカルノからベリンツォーナまでのマッジョーレ湖・ティチーノ川北岸地域に分けられます。ソットチネリは、ルガーノ周辺地域と、メンドリージオ周辺地域に分けられます。

このうち、特に注目されるのが、ビアスカ周辺の北部地域、ロカルノ周辺のマッジョーレ湖・ティチーノ川北岸地域、ルガーノ地域、メンドリージオ地域です。概して南は柔らかいタイプ、北は硬いタイプのワインが出来ると言われています。

この注目される4つの地域に、それぞれ代表的な醸造家がいて、この醸造家の最高のメルロー・ワインをブレンドした「クワットロマーニ」というワインがあり、ティチーノメルローの代表的なワインの一つになっています。北部ボーディオを中心とした、ギアルディ(Gialdi)、マッジョーレ湖とティチーノ川を中心とした、デレア(Delea)、ルガーノを中心としたタンボリーニ(Tamborini)、メンドリージオを中心としたブリーヴィオ(Brivio)の4つの醸造家です。ブリーヴィオのワインは現在スイス国際航空のファーストクラスワインとして採用されています。

ティチーノのブドウ品種は何といっても、メルローです。85%がメルローという、スイスのメルロー王国で、メルローから、赤、白、ロゼまで作り出します。その他、在来種のボンドーラ、シャスラなどから、カベルネ・ソーヴィニョン、シャルドネといった高貴品種まで栽培されています。グードでは力強いボンドーラが作られています。気軽に飲むタイプのメルローにはVITIのマークがあり、樽熟成タイプには、メルロー・バリックと表記されています。良質のメルロー・バリックはまさにポムローのグラン・ヴァンに迫ります。

19世紀後半、害虫フィロキセラによる深刻な被害を受け、その再生の為、接ぎ木用のアメリカーノがアメリカ大陸から、そして高貴品種のメルローがフランスからもたらされました。メルローは1906年より栽培され、今年(2006年)にティチーノでメルロー100年祭が催されました。

アメリカーノは生食用として一般に栽培されると共に、一部ワインにも使用される様になりました。アメリカ大陸種の持つ特有のアロマ(日本の巨峰にあるような香り)が生食用として受けているようです。また、ワインにもこのアロマを上品に残して、フレッシュに仕上げるものが出回っています。日本人にはとっても親しみやすく、これぞ漢字で書く「葡萄酒」といったイメージを彷彿させます。
(一般にこのアロマはフォキシー・フレーバーを言って、ワイン鑑定家は評価しませんが、日本人にはこれぞブドウといった香りです)

ティチーノ州はイタリア語圏なので、ワインの品質保証の名称はイタリアと同じくDOCとなります。

主な生産地区は以下の通りです。

A.ソプラチネリ
1.北部アルペン地域
 Giornico ギオルニーコ
 Bodio ボーディオ
 Malvaglia マルヴァーリア
 Biasca ビアスカ
2.ベリンツォーナ地域
 Bellinzona ベリンツォーナ
3.マッジョーレ湖・ティチーノ川北岸
 Sementina セメンティーナ
 Gudo グード
 Tenero テネロ
 Minusio ミヌージオ
4.北部渓谷地域
 Losone ロゾーネ
 Verscio ヴェルシーオ

ソットチネリ
5.ルガーノ地域
 Lamone ラモーネ
 Cademario カデマーリオ
 Castelrotto カステルロット
6.メンドリージオ地域
 Arzo アルツォ
 Mendrisio メンドリージオ
 Castel San Pietro カステル・サン・ピエトロ
 Chiasso キアッソ
 Pedrinate ペドリナーテ


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