その他諸州の紹介
ベルン、トゥーン湖畔の秋の写真はこちら
スイスは全ての州でワインが生産されているという大変特筆すべき特徴を持っています。しかし、今まで紹介してきた地域以外の諸州は、スイス中央に位置し、その作付け面積がそれぞれ約30ヘクタール以下という、ほとんど地場消費用のワインしか生産しない所です。最下位のオブヴァルデン州の作付け面積は0.1ヘクタール。これでは年間100ケースのワインも生産しないでしょう。これら諸州の名称は以下の通りです。
グラールス州、ツーク州、ジュラ州、ソロトゥーン州、ルツェルン州、オブヴァルデン州、ニドヴァルデン州、シュヴィーツ州、ウ−リ州の9州です。 シュヴィーツ州がこの中の最大で、31ヘクタールのブドウ畑を有しています。 この地区の使われるブドウ品種は、東ドイツ地区とほとんど共通してます。 赤、白とも気軽に楽しむフルーティなワインがほとんど。ミューラー・トゥールガウは中甘口系統のワインとなっています。 この諸州の中にベルン州のトゥーン湖畔地域が特別に入ります。ベルン州はビール湖畔に大きなワイン地域を持っていますが、そこはヌーシャテルを中心とした湖岸地域に分類されています。ベルナーアルプスの麓、ツゥーン湖はユングフラウ、アイガー、メンヒなどの世界的な名山を後ろに控え、大変美しい所です。かなり標高が高いのですが、湖の輻射熱が利用出来ること、フェーンによって気温が上がることなどでブドウの栽培が可能となっています。 この地区のワインはスイスの首都ベルンから近いこと、トゥーン湖畔は世界的な観光地であることなどによって、需要が高いのですが、作付け面積が16ヘクタールしかなく、入手困難なワインになっています。特にシュピーツのワインが知られていますが、オーベルホーヘンでも優れたワインが作られています。ここではピノ・ノワーとディオリノワの混醸などがあり、ヴァリス州の影響も少しあります。 ジュラ州がベルン州から独立したスイスで最も新しい州であるため、ベルン州の醸造家が引き続きジュラ州のラウヘン地区にブドウ畑を有しており、これはベルン州のワインという扱いがなされています。どちらにしてもこれら諸州の地区にはAOCはありません。 |
[トゥーン湖畔のワイン生産地区]