スイスでサイクリング−サン・ゴッタルド−
2008年7月19日

いよいよ、スイスアルプスの峠制覇、本番第一回目である。今年はこのサン・ゴッタルドとグラン・サン・ベルナール、シンプロンの3つの有名な峠に挑戦する計画でいる。サン・ゴッタルドまでのアプローチと言えば、やはりウルナー湖畔の町フリューエレンからスタートしなくてはならない。昔ここで舟から降ろされた荷が、厳しい峠越えの末に、アルプスを越えて行ったのだから。
フリューエレン標高436mからサン・ゴッタルド峠標高2108mまで、標高差1672m、距離にして51kmの挑戦だ。

朝5時起き、ベルン駅まで自転車で走り、そこからフリューエレンに向かう。フリューエレン到着8時3分。出発8時10分。

教会がひときわ美しいヴァッセンの町標高916mに到着したのは10時10分。ここまでの走行距離27キロ。距離は半分を超えているが、標高差はまだ3分の1も稼いでいない。

写真中央の単独峰はブリスタン標高3073m。フリューエレンからここまで、この山の麓を横切って登るので、いつもこの美しい単独峰が見えていた。

ヴァッセンの隣村ゲシェネンで、鉄道はゴッタルドトンネルに入って峠の反対側、ティチーノ州に至る。ここの標高が1106m。ゴッタルド峠まで、ここから約1000mの標高差がある。しかしここまで来れば、あとは実行計画第三段階で到達した標高差をこなせばいい事。気も楽になる。

気も楽とはいえ、ゲシェネンからアンデルマットまでのシュレネン渓谷はゴッタルド峠道の最大の難所でもある。ゴッタルド峠の開通が13世紀に入ってと、他の峠より遅れているのは、このシュレネン渓谷が厳しくて道が通せなかったからだ。

スノーシェードの上に、鹿発見! 野生かも

悪魔の橋と呼ばれる橋。この橋がその昔最大の難関で、人が橋を架けることが出来ず、悪魔に作ってもらったという話しが残っている。最初に通った者を生け贄に差し出すという約束で悪魔に作らせたんだとか。日本だと人柱とかいって、本当に人を生け贄にしたけれど、スイス人は最初に山羊を通らせて悪魔に生け贄として捧げたらしい。当然悪魔は騙されたと怒ったらしいのだが、何故か祟りを残しては行かなかった。不思議だ。

アンデルマット到着。11時50分。所要時間3時間40分。約1000mの標高差を稼いだ。前回のグルニゲル峠越えとほぼ同じペースでここまで来た。
あと700m近い標高差を残しているので、コープでレッド・ブルというエナジードリンクを購入。

アンデルマットの隣町、ホスペンタル。ここからゴッタルド峠の最後のアプローチが始まる。ホスペンタルの標高が1510m。ここから峠までの距離10キロ。距離10キロで標高差600mを登る。
写真はホスペンタルの上から、アンデルマット方向を撮ったもの。写真右上の辺りにオーバーアルプ峠があり、グラウビュンデン州に通じる。

平均勾配6%のアプローチ。谷筋に長く道が伸びている。登りは当然喘ぐが、下りはさぞや豪快だろう。

到着しました、サン・ゴッタルド峠。看板には標高2091mとあった。到着時間14時10分。ここまでの所要時間6時間。

実際のピークは丁度写真中央の岩の上辺りにあって、この峠の湖岸まで降りて来た。2108mという標高は、この実際のピークの標高だと思う。

何はともあれ、和風、一見日の丸弁当でお祝い。
エビ、鮭、ベーコンなどを詰め込んだご馳走。
この手の弁当は自分で作らねばならない。

ゴッタルド峠の博物館前にて、証拠写真

ティチーノ側に降りてちょっとしたら、馬車を追い越す。ゴッタルド峠の旧道数キロのアプローチは両側に渡って石畳の道が整備されていた。雰囲気があるので撮影する。

ヘアピンカーブの連続。下るのも結構辛い

馬車も大変だろう

ティチーノ側の最初の町、アイローロ。約1000mの標高差を駈け降りる。

今回はさらにビアスカという町まで走り、そこから電車に乗った。ビアスカはちょうどベルナルディーノ峠への分岐点となる町で、峠の麓の町だ。ここまでの距離はフリューエレンから97キロ。到着は午後5時5分。所要時間8時間55分。
帰りの電車では、第一回の成功を祝してビールを飲む。すぐに酔いがまわってぐーすか眠りこけてしまった。