日記でスイス旅行−ベルナーアルプス−

ユングフラウ三山へ出発!

ベルナーアルプスきっての観光名所、クライネシャイデック。アプト式の電車でここまで到着。さぁ、これからユングフラウ三山の観光旅行だ。

ユングフラウヨッホへ

クライネシャイデックからは赤い電車に乗り換えて、ユングフラウヨッホまで。ユングフラウヨッホは、標高3545m、ヨーロッパで一番高い鉄道駅。クライネシャイデックを出て、暫くするとトンネルに入って、あとはずっとトンネルの中を走る。ユングフラウヨッホ駅も地下にある。

ようするに、地下鉄じゃん。

ユングフラウ鉄道(クライネシャイデック−ユングフラウヨッホ)

ユングフラウヨッホは、電車からほぼ真上の、雪山の頂上に岩のピークが見えるところ。ようく目を凝らすと、建物が見える。よくもまぁ、こんな所に建物があるもんだと感心。電車は長いトンネルの中を走るので、最新の車両ではコンピューターグラフィックを用いた、鉄道やベルナーアルプスの案内ビデオを放映している。

クライネシャイデック(2061m)からユングフラウヨッホ(3545m)までの標高差1484m。登り列車の場合、クライネシャイデックの隣アイガーグレッチャーという駅を過ぎて、すぐにトンネルに入る。全長7122m。途中に地下駅が二つある。停車するのは登りのみ。下りは通過する。一つ目がアイガーヴァント駅、アイガーの壁という意味。次がアイスメーア駅、氷の海という意味。

登り列車は各々の駅で5分ほど停車する。この地下駅には窓が設けられていて、外の景色が眺められる様になっている。なにせ、地上が真横にあるもので・・・。笑 列車が用もないのに長く停車するのは、観光客がこの窓からの記念写真を撮れる様にとの配慮。

しかし、車内での説明はないので、ガイドブックで知っている人しか、電車から降りようとしない。私は当然、1番で列車を降りる。

アイガーの北壁

電車はこの北壁の中をトンネルでよじ登って行く。よって、外からは見る事が出来ない。しかし、よくもまぁ、こんな岩山にトンネルをくりぬいたものだ。山頂から、ほぼ垂直に、すっとーんと落ちている。まさに壁。

メンヒ 4107m

メンヒはアイガー3970m、ユングフラウ4158mの三山の中央に位置する。メンヒとは修道僧という意味がある。男性的なアイガーと麗しき乙女ユングフラウノ恋仲を裂く、にっくき修道僧なんだそうだ。

電車に乗ると

ゆっくり走っているようで、確実に標高を稼ぐ。アイガーヴァンドの駅につくと、もうパノラマが始まっている。写真左下の小さな集落がクライネシャイデック。

アイガー北壁って、反り返っているじゃん!

アイガーヴァンド(アイガーの壁という意味)駅から、北壁を間近に見る。こんな壁を登ろうってんだから、やっぱ山登りじゃないよね。ロック・クライミングってやつか・・・。因みに落下すると、衝撃で体がばらばらになるらしい。うへっ。

アイスメーア(氷の海)駅からの氷河

手前の氷河、向こう側の山脈の右奥にも氷河が広がっている。この様に氷河が入り組んでいるので、氷の海。ベルナーアルプスには沢山の氷河があって、その中にはヨーロッパ最大の氷河、アレッチ氷河もある。ベルナーアルプス一帯は、世界遺産に指定されている。

ユングフラウヨッホより

鉄道で行ける、ヨーロッパ最高地点。3545m

夏でも天気が崩れれば雪が降る。防寒具なしでは外を決して歩けない。パノラマは北の方向を撮影したもの。うっすらとジュラ山脈が見え、その向こうはフランス。

北方向の景色

少し低い山が幾重にも連なり、次いでゆるやかな丘陵地帯となり、やがてジュラ山脈にあたる。少し低い山といっても、標高2000mはある。ベルナーアルプス自体は、これらの少し低い山々から見たほうが美しい。ちょっと遠くに行った方が、手前に山々が重なって美しいだろう。

北西方向の景色

写真奥の山並みの向こうがチーズでおなじみのグリュイエール地方で、それを越えるとヌーシャテル湖に行き着く。ここから湖は、流石に見えない。

インターラーケン

写真中央の谷底に2箇所町が見える。その上側がインターラーケン。ベルナーアルプスの玄関口。この町の左右に湖があるのだが、ここからは手前の山に遮られて見えない。ここまでスイス国鉄が通っていて、インターラーケン東駅で登山鉄道に乗り換える。そして、ぐんぐん登って行き、写真右下の集落クライネシャイデックで、ユングフラウ鉄道に乗り換えて、ここまでたどり着く。インターラーケン東駅からユングフラウヨッホまでの所要時間は2時間17分。2時間ちょっとで、ここまで来れるというのがすごい。

南方向の景色、アレッチ氷河

ユングフラウヨッホから見たアレッチ氷河

Wikiによると、氷河の長さは23.6km(2001年12月)に及び、面積は117.6km?(ユネスコの資料では128km? )、水の総重量は270億トンだそうだ。画面、右、中央、左方向より3つの万年雪帯が合流して、2本の明瞭な筋をつけている。写真中央のこの氷河合流地点一帯をコンコルディアプラッツと呼ぶ。一見、河底が近くにありそうだが、氷の厚さは900メートル以上もあるのだそうだ。

氷河は地球温暖化の影響によって、年々後退している。このヨーロッパ最大の氷河もなくなってしまうのではないかと懸念されている。

氷の河とはよく言ったもんだ

この中心の部分が一番流れが速いらしく、一年間に200−300m進むらしい。時速およそ2.5センチ。見えそうで見えない・・・。

ユングフラウヨッホ・スフィンクス展望台

建物は展望台横のレストランの一部。よくもまぁ、こんな所に建物をおったてたもんだわ。人間、死ぬ気になれば何でも出来る、っつう見本やね。

ヨッホから見たユングフラウ

もう手の届きそうな距離にあるのだが・・・・・
あそこまで行くのもやっぱり命がけ。

アイガー北壁・登頂ルート

ユングフラウヨッホから戻り、再びクライネシャイデック。ここにアイガー北壁の登頂ルートを示した案内がある。クライネシャイデックの隣にアルピグレンという場所があって、そこが登山隊のベースキャンプとなる。赤いルートが初登頂された時のルートで、これがスタンダードになっている。登山装備が発達するに従って、真っ直ぐ登るようになり、水色などのルートは直登ルートと呼ばれている。日本人の登山家も沢山登頂に成功している。

北壁参考写真

よく見ると、山を真っ二つに割ったって感じ。なんか富士山の縮小断面図をみている感じがする。緑色したアルプ(牧草地帯)を過ぎると、そこからは修羅場、というのがよくわかります。
北壁の所々にある白い所は、氷田と呼ばれているのだけれど、最近の温暖化で姿を消しつつある様です。もしかしたら、以前より登りやすくなっているかも知れない。

北壁参考写真2

横の方から眺めると・・・・・
この壁、ほぼ垂直。それどころか、ばりばりハングオーバーしておりま。

グローセ・シャイデッグ

クライネ・シャイデッグから東方向を見ると、この様なうねった谷が見られる。谷の真下の町がグリンデルワルト。そこから先に少し登りになって、峠となっている。そこがグローセ・シャイデッグ。大昔、地が割れて裂け目が出来た名残の様な景観。

グリンデルワルド

グローセ・シャイデッグとクライネ・シャイデッグに囲まれた巨大な窪地に佇む小さな町といった感じ。しかし、ベルナーアルプスの恩恵で一年中観光客が絶えない。夏はハイキング、冬はスキー、その他アドベンチャー・スポーツ盛りだくさん。

山が崖

地球の造山活動と氷河の侵食活動が織り成した景観なんだろうけど、山を見ているというよりは、崖を見ている感じ。山の天辺からもうがけになっている。ここで崖崩れがあったら、すごいだろうなぁ。一度、崖崩れが起きて岩の塊が谷筋になだれ込んでいる所をテレビでみたけれど、それはそれは恐ろしい光景だった。

メンヒ、ユングフラウ

左がメンヒ、右がユングフラウ、弛みになっているところがユングフラウヨッホ。写真の見た目とは異なって、ユングフラウノ方が標高が高い。

小さな池とメンヒ

クライネシャイデックの周辺にはこうした小さな池が点在していて、山の姿を映している。牧歌的な雰囲気に包まれている。

逆さアイガーとメンヒ

池に映ったアルプスもまた乙なもの

逆さメンヒ

他の池に映っていたメンヒ。池に映るアルプスはどことなく優しい。

この写真とは違い今日は天気が荒れている。時々すごい吹雪になっている。春の終わりを告げる吹雪なのだろうか。近くの森の木々は真っ白となり、まるで冬景色。
冬は穏やかだったのと対照的なここ最近の天候。今年も暖冬だったのに去年ほど騒がれなかったのは、人々は暖冬になれてしまったのかも。気候が変化し、年々変化の激しい天候になっていくとの予測もある。そういう事も馴れていくのだろうか?確かに抗うことも極めて難しいのだろうけれど。

ハイキング銀座

クライネシャイデックからヴェンゲンに向うハイキング道。なかなか気持ちのいい道。ベルナーアルプスのハイキング銀座といった賑わいがある。

望遠で見ると谷が深い

この谷の先は行き止まりになっていて越えられない。3000m級の壁の向こうは、カンデァシュテーグという観光地がある。

ミューレーン

写真中央、反対側の山肌にへばりつく白い点々として映っている集落がミューレーン。集落の下は切り立つ崖。ミューレーンはシルトホルンのゲートシティ。この村の中は自動車が通れない。

ミューレーン拡大

こんな崖の上に集落を作るという勇気が凄い。

ラウターブルンネンの谷

ヴェンゲンから見下ろすラウターブルンネンの谷。氷河のものすごい圧力によって切り立つ谷が作られた。

氷河の力

岩を垂直に削り取る

電車はラウターブルンネンへ

谷を降りていく電車は、アプト式。軌道の間にラックという歯付きのレールがあり、電車に搭載された歯車がここを通る事によってすべりを止める。日本では静岡・大井川鉄道の千頭-井川間の一部にアプト区間が保存されている。

シュタウブバッハの滝

ヨーロッパで2番目の落差を持つ滝だそうです。水量がちょっと非力。でも町まで滝の飛沫が飛んできそう。

旗と山

左の旗がベルン州の旗。右がスイスの国旗。真ん中がブライトホルン、3782m。ラウターブルンネンからその美しい雄姿を拝む事ができる。

ラウターブルンネン

小さな町。ベルン州の田舎町といった感じ。観光客はここを経由して、ヴェンゲン、ユングフラウ、ミューレーンと向うので町自体、そんなに観光客でごったがえしてはいない。