概説・コート・デュ・ローヌ

 コート・デュ・ローヌは南北に分かれていて、北部がリヨンの南約30キロのヴィエンヌからヴァランスまでの約60キロの間。南部がヴァランスから約80キロ下ったボレーヌからアヴィニョンまでの約60キロの間に位置している。

 広大な地域だが、生産量は南部が圧倒的に多く、8割以上は南部で生産される。北部は量こそ少ないがコート・ロティ、シャトー・グリエ、エルミタージュなど銘醸品がひしめき合っている。南部ではシャトー・ヌフ・デュ・パープがエルミタージュに並ぶ評価を受けているのみだが、リラック、ジゴンダスなどの地域が力をつけている。タヴェルはフランス一番のロゼを作る地域として有名。

 コート・デュ・ローヌのクリュは北部が北から、コート・ロティ、コンドリウ、シャトー・グリエ、サン・ジョゼフ、クローズ・エルミタージュ、エルミタージュ、コルナ、サン・ペレがある。

 南部は幅も広く、北から順には並べられないが、おおよそ、ジゴンダス、ヴァケラス、シャトー・ヌフ・デュ・パープ、リラック、タヴェル。また南部のアペラシオンには、ヴィラージュと名前をつけられる村、コトー・デュ・トリカスタン、コート・デュ・ヴァントゥ、コート・デュ・リュベロン、コスティエール・ド・ニームなどがある。

ブドウ品種:北部は、赤はシラー、白はマルサンヌとルーサンヌが主。ただし、コンドリウとシャトー・グリエの白はヴィオニエ。南部は使う品種が多く、赤はシラー、グルナッシュ、サンソー、ムールヴェードル、カリニャン、ヴァカルス、クノワーズなどが用いられている。主となる品種はグルナッシュで、これにシラーやムールヴェードル他の品種が混ざる。白はマルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエ、クレレット、ブールブラン、グルナッシュが使われる。主となるのは、ルーサンヌ、クレレット、ブールブラン、グルナッシュ。

 シャトー・ヌフ・デュ・パープは13種類もの品種の使用が認められているが、実際には上記の品種を基に6種類くらいまでの品種に絞って使われている。