概説・ラングドック・ルーション

 フランスワインの揺籃の地、それがラングドック・ルーション。ローマ人がやってくる遙か前に、フェニキア人がここにぶどうを運んだ。それがフランスワインの始まり。ニームの南、ローヌ川西岸の河口地域からペルピニャンの南、スペイン国境までの広大な地域がラングドック・ルーション、別名ミディと呼ばれる地域。フランスワインの約4割を生産するという、フランス第一のワイン地区だが、その大方はテーブルワインであって、ミディとは安ワインの代表格となってしまっている。

 しかし、やる気のあるドメーヌも多い。広大な地域の中に散在しているので、訪問するのも手間であるけれど、彼らがいる限り、ミディは必ずしも安ワインではない。

ラングトック・ルーションのアペラシオン

ラングドック地方では、
・コトー・デュ・ラングドック
(広大な地域で、特に優良なものは小地区ないしは村名が添えられる。ピック・サン・ルー、モンペイルー、ラ・クラップなど)
・ピックプール・ド・ピネ
・サン・シニャン
・フォジェール
・ミネルヴォワ
・フィトゥー
・コルビエール
・ブランケット・ド・リムー

 ルーション地方では
・コート・デュ・ルーション
・コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ
(モンネル、カラマニイ、ラトゥール・ド・フランス、エスタジェル、プラネーズの村が注目されている)
・コリウール
・バニュルス
・リヴザルト
・モーリ

 ドメーヌものは、これらの地域に散在しているので、特にどの地域が定評あるかと言うことは言い難い。しかし、ラングドックのサン・シニャン、フォジェール、ミネルヴォア、モンペイルー、ルーションのコリウール、バニュルス、リヴザルト、モーリは注目に値する。

 ぶどう品種は、カリニャン、サンソー、グルナッシュ、ムールヴェードル、などなど南フランスの標準葡萄品種が栽培されている。甘口ではミュスカ・ア・プティ・グラン、マスカット・ダレキサンドリーなどが用いられる。