概説・プロヴァンス

 プロヴァンスのワイン地区は、エクサン・プロヴァンスとその南マルセイユからサン・ラファエルの間が中心となる。しかし、ブドウ畑はイタリア国境まで断続的に続いている。主には気軽に飲めるロゼワインを生産しており、プロヴァンスの魚介類を中心とした料理と合わせて楽しまれている。
 その中で注目されるクリュは、エクサン・プロヴァンスの南に位置するパレット、マルセイユの東隣のカシス、それに続くバンドール、ニースの裏手の高台にあるベレ。
 プロヴァンスで注目されるドメーヌには、リアン村のシャトー・ヴィニュロール、パレットのシャトー・シモーヌ、バンドールのドメーヌ・ダンピエ、ベレのシャトー・ド・ベレなど。これらのドメーヌではロゼの他、しっかりとした骨格を持つ赤や白も生産している。
 特にバンドールの赤は長期熟成タイプ。ムールヴェードルを主に用いているところがこのクリュの特徴。ムールヴェードルの偉大な赤に地区をあげてこだわっている。
 主なブドウ品種は、赤はムールヴェードル、グルナッシュ、サンソー、シラー、カリニャンなど。白はクレレット、ユニ・ブラン、ロールなど。ブドウ品種はコート・デュ・ローヌ南部と似ている。というか、南フランスの標準的葡萄品種。