概説・ヴァッレ・ダオスタ

 ヴァッレ・ダオスタ特別自治州 イタリア最小の州で州と県が同一。州の人口約12万人。公用語はフランス語(アオスタ方言)、イタリア語

 DOCは、ヴァッレ・ダオスタの一つのみ。1985年5月よりヴァッレ・ダオスタの多くのコムーネがこの指定に入ったと共に、古くからあったDOC赤のドンナスとアンフェール・ダルヴィエがこれに吸収された。ヨーロッパ最高峰のモンブラン(イタリア語名:モンテ・ビアンコ)を源流域とするドーラ川流域にブドウ畑が広がっている。

 ラベル表記は様々だが、ヴァッレ・ダオスタ・ビアンコ、ロザート、ロッソ、あるいはヴァッレ・ダオスタ・ガメィなど葡萄品種をつけたもの、ヴァッレ・ダオスタ・トッレッテなどワイン地区をつけたもの、ヴァッレ・ダオスタ・シャンバーヴ・モスカートなど、ワイン地区のあとに葡萄品種をつけたものなどが認められている。

 赤、白、ロゼ、甘口から辛口まで、様々なワインを生産している。ヴァッレ・ダオスタ(アオスタ谷という意味)はヨーロッパ・アルプスが作り出した氷河谷の一つ。言い換えれば、イタリアの氷河谷ワインだ。多くのワインが、緻密で、フルーティ。アルプスの清涼感をそのまま詰め込んだ様なワインがここで楽しめる。

代表的な地域はドーラ川上流域より
・モルジェ Morgex(DOCではイタリアで最も標高が高い)
・ラ・サル La Salle
・アンフェール・ダルヴィエ Enfer d'Arvier
・トッレッテ Torrette
(Quart, Saint-Christophe, Aosta, Sarre, Saint-Pierre, Charvensod, Gressan, Jovencan, Aymavilles, Villenenuve, Introdの各コムーネ)
・ニュス Nus
・シャンバーヴ Chambave
・アルナーモンジョヴェ Arnad-Montjovet
・ドンナス Donnas

ヴァッレ・ダオスタ独特のぶどう品種
・ブラン・ドゥ・モルジュ
・プティ・ルージュ
・ヴィアン・ドゥ・ニュス
・ネイレ
・フレイザ
・フェマン
・ピクトゥネール(ネッビオーロの別名)

その他の許されるぶどう品種
・ミューラー・トゥールガウ
・ガメイ
・ピノ・ネロ
・モスカート・ビアンコ
・ドルチェット
・ピノ・グリージョ
・プティ・アルヴァン
など

シャンバーブではモスカート・パッシート(甘口)
ニュスではピノ・グリージョ・パッシート(甘口)
のデザートワインが造られる。

古くからDOCに規定されていた、ドンナス、アンフェール・ダルヴィエ地区では、ドンナスがネッビオーロの品種ピクトゥネール、アンフェール・ダルヴィエではプティ・ルージュが主に使われる。また、アオスタ谷奥部のモルジェ、ラ・サルではブラン・ドゥ・モルジュが用いられる。これらはヴァッレ・ダオスタならでのワイン

 アルナーモンジョヴェ、トッレッテの地区で、アルコール度数が12%に達したものはスペリオーレと表示することができる。